『四月は君の嘘Coda』(新川直司/講談社)
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女優・広瀬すず主演で9月10日より公開される映画『四月は君の嘘』。原作は『月刊少年マガジン』に連載されていた漫画で、2014年にはフジテレビの「ノイタミナ」枠でアニメにもなっている人気作だ。
コミックスは全11巻で完結しているが、このほどアニメのDVDやBDに収録された短編5話がコミック『四月は君の嘘Coda』(新川直司/講談社)として発売された。
ちなみに「Coda」とは楽曲における独立した終結部を指し、漫画でいえば本編から独立した番外編というところだろうか。
まず描かれているのは主人公・有馬公生の幼年時代。2話に亘って公生が初めてピアノの演奏会に出場するエピソードが語られる。
原作漫画やアニメをご覧になった方なら承知のことだろうが、この演奏会は本作に登場する多くのキャラクターに影響を与えた重要な場面だ。
幼い公生がどのようにして演奏会に出場することになったのか、その悲しくも優しい理由がここで明かされる。
続いて登場するのは、公生のライバルのひとり・井川絵見。彼女は公生が初めて参加した演奏会で彼のピアノを聴き、自らもピアニストになると誓った少女だ。
本編ではムラっ気のあるピアニストで、お世辞にも愛想のいいキャラクターという感じではなかったが、本エピソードの彼女は少し違う。
通っている学校での絵見は人当たりもよく、ファンクラブみたいなものが存在するほどの人気者なのだ。完璧な彼女が唯一、完璧でないのがピアノ。
なのになぜ、彼女がピアノにこだわるのかということが語られる。ちなみに聞くところによれば、実写映画では絵見やもうひとりのライバル・相座武士は出てこない模様。期待していた人にはちょっと残念かも。
そして『Coda』の掉尾を飾るのが、ヒロイン・宮園かをりだ。まず簡単に公生とかをりの関係を整理しておこう。
ある日、有馬公生、澤部 椿、渡 亮太の幼馴染三人組の前にヴァイオリニスト・宮園かをりが現れる。渡のことが好きだと公言し、公生を「友人A」と称して接するかをり。
実はこの頃の公生は、母親の死をきっかけにピアノから遠ざかっていた。しかしかをりの、時には強引な、時には情熱的な行動によってピアノの演奏を促され、
公生は徐々にピアニストとしての自身を取り戻していく。二人の関係はその距離を縮めていくが、かをりには公生の知らない「嘘」があった──。
本書で語られるかをりのエピソードは幼少期だ。何にでも興味を持ち、すぐに飽きてしまうという「雑な性格」のかをり。
しかしあるピアノの演奏会で、有馬公生のピアノを聴いて衝撃を受ける。その後、彼女はヴァイオリニストを志し、公生との共演を目標に励む姿が描かれている。
14歳になって公生と再会するシーンや、かをりの宝物である公生の写りこんだ写真も登場し、本編を知る人ならば心打たれるストーリーだ。
先述の通り、この短編5作はDVD、BDに付属した特典である。アニメを観たことがなかった人や円盤を買えなかった人にとっては、今回の単行本化は朗報だろう。
もちろん原作漫画派、アニメ派と分かれることもあるのだろうが、やはりこの作品はメディアの違いを超えて楽しんでもらいたい。劇場公開される実写版も、
主人公たちの世代が中学生から高校生になるなど設定の変更が見られる。そのあたりも含めて、新たな『四月は君の嘘』の世界が広がると考えれば、俄然興味も湧いてこようというものだ。
文=木谷誠
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誰が見に行くんだろ
以後、漫画版は見ないことにしている。